サーフィンのフィンやボードに関心を持った時、上記のような悩みを持つ方は多いのではないでしょうか。
サーファーの体格やレベル、追求するプレイスタイルによって、適したフィンの種類は大きく異なります。
このため、自身の条件に合ったフィンを選ぶことが重要です。
本記事では、サーフィンのフィンの選び方や、フィンの種類ごとの違いを説明します。
フィンがプレイに与える影響については「サーフィンはフィンで変わる?」の記事もあわせて参考にしてみましょう。
- フィンを選ぶ時に意識すべきポイントは主に3つ
- 自分の体格・レベル・追求するプレイスタイル
- 主にこの3点で選ぶべきフィンが変わる
- 素材・フォイルなどの各項目も上の3点に合わせて選ぶ
- 迷ったらサーフショップやサーファーに相談するのがおすすめ
目次
【サーフィンのフィンの選び方】意識すべき基本のポイント
サーフィンのフィンを選ぶ際は、以下のポイントを意識して選びます。
- フィンボックス(フィンプラグ)の種類
- 自身のサーフィンレベル
- 追求するプレイスタイル
- 素材(硬さ&元に戻る力)
- サイズごとの適正体重
フィンボックス(フィンプラグ)の種類
フィン選びで最初に重要となるのは、フィンボックス(フィンプラグ)の種類です。
フィンボックスとは「フィンをサーフィンボードに固定するパーツ」です。
フィンボックスの種類は『FCS』か『FUTURES』という2種類のブランドに分かれます。
元々フィンはボードに固定されていましたが、ある時期に「波のコンディションによってフィンを付け替えたらサーフィンの幅が広がる」というアイディアが生まれました。
このアイディアを実現し、サーフィンの世界に「取り外し式のフィン」というマーケットを生み出したのが、フィンのトップブランドの『FCS』です。
そして、同社の後に誕生し、フィンの世界の幅を広げているブランドが『FUTURES』です。
2025年現在のサーフィンボードでは、基本的に上記2種類のブランドいずれかのフィンプラグが埋め込まれています。
かえでちゃん
自身のサーフィンレベル
自身のサーフィンのレベルによっても、適したフィンは異なります。
例えば、メジャーなブランドである『FCS 2』の場合、フィンが主に以下の4つのカテゴリに分けられています。
- POWER(パワー)
- SPEED(スピード)
- CONTROL(コントロール)
- BALANCE(バランス)
上記4種類のうち、初心者に適しているのは『BALANCE』です。
まさとくん
追求するプレイスタイル
追求するプレイスタイルによっても、適したフィンは異なります。
フィンごとに適したプレイスタイルは、以下の要素によって変わります。
- フィンの枚数(本数)
- フィンの面積の大きさ
- フィンの高さ
- 横から見たフィンの角度
- 正面から見たフィンの角度
- フィン表面の形状
枚数については「フィンの枚数」、大きさ・高さ・角度については「テンプレート」、表面の形状については「フォイル」の段落で、それぞれ詳しく解説しています。
素材(硬さ&元に戻る力)
素材による違いは、以下の2項目で判断されます。
- フレックス性(硬さ)
- レスポンス性(反発性=元の形に戻る力)
上記2つの性質は基本的に比例の関係にあり「硬ければ反発も強い」「柔ければ反発も弱い」というパターンがほとんどです。
フレックス性については、硬い素材ほどクッションがないため、波の力がダイレクトに足に伝わります。
ボードを抑える脚力や体重が必要になりますが、これらの条件を満たせば、波の力をクッションで殺さないため、スピードとキレのある波乗りが可能です。
このため、硬い素材(フレックス性とレスポンス性が高い素材)は、中上級者に適しています。
逆に柔らかい素材はクッションによって波の勢いを殺すため、初心者や女性、キッズに適しています。
かえでちゃん
サイズごとの適正体重
サーフィンのフィンにはサイズがあり、適正なサイズは体重によって決まります。
最もメジャーなフィンシステムである『FCS2 』の場合、サイズ別の適正体重は以下のようになっています。
フィンサイズ | 適正体重 |
---|---|
XS | 〜55kg |
SMALL | 55〜65kg |
SMALL or MEDIUM | 65〜70kg |
MEDIUM | 70~75kg |
MEDIUM or LARGE | 75〜80kg |
LARGE | 80〜85kg |
LARGE or XL | 85~90kg |
XL | 90kg〜 |
上記の適正体重はあくまで目安であり、サーファーそれぞれの好みで前後してかまいません。
まさとくん
【サーフィンのフィンの選び方】フィンボックスの仕様
フィンは「サーフィンボードのフィンボックスの仕様」に合ったものでなければセットできません。
そのため、すでにボードを持っている場合は、必ず仕様に合ったフィンを選ぶ必要があります。
フィンボックスの主な仕様は以下の通りです。
仕様 | 特徴 |
---|---|
センターフィン | フィンが中央にある |
シングルタブ | 穴とネジが1カ所ずつ |
ダブルタブ | 穴とネジが2カ所ずつ |
FCS II | ネジなしでフィンを固定できる |
新しくボードを買う場合や買い替える場合は、どの仕様でもかまいません。
【サーフィンのフィンの選び方】フィンの枚数
サーフィンのフィンは、枚数によっても特性が変化します。
フィンの枚数の種類は、以下の通りです。
- シングル
- ツイン
- トライフィン(スラスター)
- クアッド
- シングルスタビライザー(1+2)
シングル
シングルフィンは「ボードの中央に1枚のフィンを装着」します。
安定性が高く、ストレートなラインを描くことが特徴です。
かえでちゃん
ツイン
ツインフィンは「ボードの両側に2枚のフィンを装着」します。
スピード感があり、ターンがスムーズなことが特徴です。
まさとくん
トライフィン(スラスター)
トライフィン(スラスター)は、3枚のフィンを装着します。
ショートボードに多く用いられており、機動性と安定性のバランスに優れています。
別名が「スラスター」であるのは、1981年に初めてこの名称で発表されたためです。
かえでちゃん
クアッド
クアッドフィンは、4枚のフィンを装着します。
スピードが出やすく、ターンもスムーズなことが特徴です。
まさとくん
シングルスタビライザー(2+1)
シングルスタビライザーは、センターフィン1枚に加えサイドフィン2枚を装着します。
2枚と1枚のフィンということで「2+1」とも呼ばれます。
センターのフィンが1枚である点でシングルフィン、合計のフィンが3枚である点でトライフィンと類似していることが特徴です。
かえでちゃん
【サーフィンのフィンの選び方】素材で比較
サーフィンのフィンを選ぶ際は、素材で比較することも重要です。
フィンの主な素材は以下の通りです。
- プラスチック
- ファイバーグラス
- ハニカム
- カーボンファイバー
プラスチック
プラスチック素材のフィンは、他の素材に比べて価格が安いことが特徴です。
さらに柔軟性が高く、形状も鋭利でないデザインが多いため、大きなケガに繋がりにくいことがメリットです。
上記のような特徴から、初心者向けの素材とされています。
まさとくん
ファイバーグラス
プラスチックと比較して剛性(強度)が高く、性能が向上します。
剛性が高い分ケガのリスクがやや高まりますが、スピードコントロールやターンをしやすくなるため、中上級者におすすめです。
ハニカム
中心に六角形パターンのコア材を使用し、軽量化されたフィンです。
軽量であるもののファイバーグラスと同等の硬さを持ち、ファイバーグラスよりフレックス性(元の形に戻る性質)が高いとされています。
カーボンファイバー
軽量でも高い剛性を持つ、最も高い性能を発揮しやすい素材です。
その分高価であるため、プロや上級者向けの素材として知られています。
【サーフィンのフィンの選び方】特性で比較
サーフィンのフィンを選ぶ際は、フィンの「特性」で選ぶことも重要です。
フィンには主に以下の3つの特性があります。
- ドライブ性
- ピボット性
- ホールド性
ドライブ性
ドライブ性とは「直進する力」のことで「スピード、加速性」とも表現されます。
フィンのベースが長いほど、面積が大きくなるほどドライブ性が高まります。
ピボット性
ピボットとは「急ターンをする力」のことで「回転性」とも呼ばれます。
フィンのベースが短いほど、角度が緩いほど、ピボット性が高まります。
ベースが短いということは「フィンの横幅が狭い=水と接する面積が小さい」ということです。
角度が緩いということは「フィンが水に対して深く潜らない」ことを意味します。
かえでちゃん
ホールド性
ホールド性とは「ボードが波に食いつく力」のことで「安定性」とも表現されます。
フィンの面積が大きいほど、波をがっちり掴むため安定性が高くなります。
【サーフィンのフィンの選び方】テンプレートで比較
フィンのテンプレートとは、フィンの形状を決める4つの要素(ベース・デプス・スウィープ・エリア)のことです。
4つの要素それぞれの意味は、以下のとおりです。
要素 | 意味 |
---|---|
ベース(Base) | 幅(フィンの付け根の) |
デプス(Depth) | 高さ(フィンの) |
スウィープ(Sweep) | 角度(フィンの反りの) |
エリア(Area) | 面積(フィンの) |
上記4つの数値のバランスによって、フィンのテンプレートの種類が分かれます。
テンプレートの種類は大別して、以下の4通りです。
- BALANCE(PERFORMER)
- SPEED(REACTER)
- POWER(CARVER)
- CONTROL(ACCELERATOR)
説明の中に登場するロッカーとは、ボードのボトム(下面、水と直接接する面)の反りのことです。
BALANCE(PERFORMER)
最も癖のないオーソドックスなテンプレートです。
テンプレートの種類で迷った時は、まずBALANCEを選ぶのが良いでしょう。
まさとくん
SPEED(REACTER)
急な方向転換(ピボットターン)を得意とするテンプレートです。
フィンの角度が立っていることが特徴で、フィンをコンパスの針のように軸にしながら回転するイメージで、鋭いピボットを決めることができます。
かえでちゃん
POWER(CARVER)
勢いのある大きなターンを得意とするテンプレートです。
4つの種類の中で最もフィンの角度が小さいレイクした(寝ている)形状が特徴です。
フィンが寝ていると水に接する面積が小さいため、フィンを軸とする「SPEED」のような急ターンはできません。
しかし、水の抵抗が小さい分スピードが落ちることがなく、大きなターンをしやすくなります。
まさとくん
CONTROL(ACCELERATOR)
バランスの良さに加えて、ボードコントロールに優れたテンプレートです。
全体的には「BALANCE」に近い形状ですが、BALANCEよりもフィンの角度がやや寝ており、POWERに近づきます。
初心者がステップアップする際に、BALANCEからCONTROLを選ぶケースも多く見られます。
かえでちゃん
【サーフィンのフィンの選び方】フォイルで比較
サーフィンのフィンを選ぶ際は「フォイル」で比較することも重要です。
フォイルには主に以下の4種類があります。
- フラットフォイル
- インサイドフォイル
- 50/50 フォイル
- 80/20 + 70/30 フォイル
フラットフォイル
フラットフォイル(Flat Foil)は、表面が平ら(フラット)な形状です。
平らであるため、ドライブ性・ピボット性・ホールド性のバランスが良く、あらゆる波のコンディションに対応しやすいことが特徴です。
まさとくん
インサイドフォイル
インサイドフォイル(Inside Foil)は、表面がコンケーヴしている(へこんでいる)形状です。
水流の抵抗を抑える形状のため、ドライブ性(加速性)が増し、波と一体化する分ホールド性も増します。
50/50フォイル
50/50フォイルは、表面と裏面が左右対称な形状です。
主にセンターフィン(真ん中の1本)に使われる形状で、一部のクアッドリアフィン(4本)では、真ん中2本に使われることもあります。
かえでちゃん
80/20 + 70/30 フォイル
80/20 + 70/30 フォイルは、表面も裏面も左右非対称な形状です。
多くはクアッドリアフィンとして用いられます。
まさとくん
【まとめ】サーフィンのフィンの選び方は?
サーフィンのフィンを選ぶ際は、今回紹介してきた通り、比較すべきポイントが多くあります。
基本的には「体格・レベル・希望のプレイスタイル」の3つの要素によって、選ぶべきボードが決まります。
上記の3要素に合った素材や形状を選ぶのが基本、といえるでしょう。
フィンの選び方で迷ったら、一度サーフショップで店員さんに相談してみるのもおすすめです。
経験豊富なショップの店員さんであれば、あなたの体格・レベル・希望のスタイルに合ったボードを的確に選んでくれます。
店舗によっては試乗用のボードも貸してもらえるため、自分に合ったボードをより見つけやすくなるでしょう。
かえでちゃん
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